一年戦争開戦前、地球連邦軍はジオン公国軍のモビルスーツ (MS) 開発計画を察知して対MS戦闘車両として完成したRTX-44を、更にMSとして全面的にリファインした。RX計画の下、タキム社、サムソニシム社等が参画し、急遽ロールアウトに漕ぎ着けた地球連邦軍初のMSがガンタンクである。この開発にはジオン公国から亡命したMS技術者も関わったといわれる。 複雑な二足歩行システムの完成を待たずに開発されたため下半身が装軌式で、戦車に人間の上半身を乗せたような格好が特徴である。最高時速は70kmと、通常のMSと比較しては決して速いものではなかったが、重力下でトラブルを抱えることが多かった二足歩行に対し安定性が良く信頼性も高いという一面を持ち、実戦でもホワイトベースと共に地球をほぼ1周した事からあらゆる地形に問題なく適用したものと考えられる。スラスターと姿勢制御バーニアを用いることで宇宙空間でも一応運用可能である。また大気圏内運用の際のホワイトベースへの帰還のために、本体底部に大気圏内飛行用のバーニアが存在する(ガンダムFACT FILEより)。しかしキャタピラを含む下半身はAMBACとしては機能せず、地上とは逆に単なるデッドウェイトにしかならなかったため運動性は極端に悪かった。そのため、宇宙戦においてガンタンクと遭遇したジオン兵は度肝を抜かれ、「タンク(戦車)モドキ」「MSの出来そこない」と呼称された。
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